コンピュータの基本ソフトウェアである OS (Operating System) はファイルという単位でデータやプログラムを管理し、記憶装置に記録します。 用途や形式によって様々な種類のファイルがあります。 大きく分けて、コンピュータが実行することができる命令の集合であるプログラムファイルと、コンピュータの利用者(ユーザ)が作成した情報を記録しておくデータファイルがあります。
ファイル名で、「.
」(ドット、又は、ピリオド)で区切られた一番右側の部分を拡張子 (extension) と呼びます。例えば、ファイル名が「memo.txt
」ならば「txt
」部分が拡張子です。
現在の Windows では拡張子は何文字でもかまいませんが、 Windows の前身の MS-DOS という OS のファイルシステム (FAT16, File Allocation Table 16) では、拡張子部分は半角英数字で3文字までという制限がありました。
現在では拡張子に文字数制限はありませんが、このような流れから3文字から4文字の拡張子が主流になっています。
また、コンピュータの登場以前から、単語の頭文字を繋いだアルファベット略語というものがあります。
恐らく3文字が一番使いやすいのだと思いますが、略語も3文字が圧倒的に多いです。
ちなみに Mac や iOS や Android の OS の元になっている Unix 系の OS のファイルシステムには拡張子という考え方がありませんでした。OS やファイルシステムのレベルで拡張子を使ってファイルの種類を判断してるわけではないということです。しかし、拡張子でファイルの種類を判断するという文化が広まって、ユーザやアプリのレベルでは「お互いのお約束」として拡張子が便利に使われています。現在では殆どのファイルに拡張子がついてると思っても差し支えありません。
Windows では拡張子でファイルの種類を判断しています。そして「ダブルクリックでどのアプリケーションソフトを使って開くのか?」などの設定がなされてます。例えば、「xxx.txt
」ならメモ帳で開く、「xxx.docx
」なら Word で開く、「xxx.xlsx
」なら Excel で開く、などのような設定です。このような設定のことを拡張子の関連付けといいます。ちなみに関連付けの設定については各ユーザの好きなように変更することができます。
このように拡張子はファイルの種類を判断する重要な設定に関わる問題なのですが、初心者には難しいと言う理由からなのか、購入したばかりの Windows パソコンの初期設定ではこの拡張子が見えないようになっています。 その代り、拡張子が見えなくてもアイコンの絵柄で何のファイルなのかなんとなく分かるようになっています。 この拡張子というものを知らないために、以下のようなトラブルが絶えません。
一度拡張子を見えるように設定すれば、電源を切ってもう一度電源を入れても見えるようになります。 学内のパソコンでは表示させる状態になってるものとなってないものが混在してますので注意してください。
まず最初にクイックアクセスツールバーにある [エクスプローラ] ボタンをクリックしてエクスプローラを立ち上げてください。もしくは [スタート] ボタン [エクスプローラ] の順にクリックしてエクスプローラを立ち上げてください。
次にエクスプローラの [表示] メニューをクリックして [表示/非表示] グループにある [ファイル名拡張子] にチェックを入れてください。
これで拡張子が表示されるようになってるはずです。
まず最初に [スタート] ボタン [コントロールパネル] の順にクリックしてコントロールパネルを開いて下さい。
次に [デスクトップのカスタマイズ] をクリックして開いて下さい。
次に [フォルダオプション] をクリックして開いて下さい。
[フォルダオプション] ダイアログが開いたら、次の絵のように [表示] タブをクリックして、 [詳細設定:] のスクロールバーを一番下まで下ろして、[登録されている拡張子は表示しない] のチェックを外して下さい。
最後に [OK] ボタンを押せば拡張子が見えるようになってるはずです。
ここでは授業でよく使いそうなファイルのみを書いてます。 他にも色々あるので知らない拡張子のファイルが出てきたときは(「拡張子」「一覧」「辞典」)などのキーワードを組み合わせて検索してみて下さい。
次の表のアイコンは Windows XP の標準の設定の場合のものです。関連付けの設定によってアイコンの絵柄が変わってる場合があります。また、Windows のバージョンが違う場合は微妙に違った絵柄になります。
読みは代表的な読み方です。違う読み方をしてる人もいます。また、アルファベットをそのまま発音する読み方の場合は省略しています。
ファイルの形式には大きく分けてテキストファイルとバイナリファイルの2種類があります。 テキストファイルは文字データで書かれていますので、専用のソフトを使わなくても、テキストエディタで直接編集することができます。
バイナリ(binary)とは2進法の 0, 1 のことです。 2進法については (ここ) で詳しく説明します。 テキストデータは文字コードで書かれたデータのことです。 文字コードについては (ここ) で詳しく説明します。
分類 | 拡張子 | アイコン | 読み | 形式 | 詳細 |
---|---|---|---|---|---|
文章 | .txt .text |
テキスト | テキスト | 特に何も決まった指定のないテキスト。(プレーンテキストと言う) 通常はメモ帳で開くが別のテキストエディタに関連付けされてることもある。 |
|
.doc |
ドック | バイナリ | ワードドキュメントファイル。 | ||
.docx |
バイナリ | ワードドキュメントファイル。(バージョン2007以降のファイル形式) | |||
.pdf |
テキスト | Adobe社が策定した世界標準の電子文書の形式。 印刷用ファイルによく使われる。 |
|||
.ppt |
バイナリ | パワーポイントプレゼンテーションファイル。 | |||
.pptx |
バイナリ | パワーポイントプレゼンテーションファイル。(バージョン2007以降のファイル形式) | |||
.pps |
バイナリ | パワーポイントプレゼンテーションファイル。(スライドショー専用) | |||
画像 | .bmp |
ビットマップ | バイナリ | 基本的な全く圧縮されてない画像ファイルです。 | |
.gif |
ジフ | バイナリ | 可逆圧縮、色数が8ビット256色。 | ||
.jpg .jpeg |
ジェイペグ | バイナリ | 非可逆圧縮、写真などによく使われる。 | ||
.png |
ピング | バイナリ | 可逆圧縮、8ビットだけじゃなく24ビット色もある。 | ||
データ | .csv |
テキスト | Comma Separated Value (カンマ区切りテキストのデータファイル)。 テキストなので Excel 以外でも編集できる。 |
||
.xls |
バイナリ | エクセルブックファイル。 | |||
.xlsx |
バイナリ | エクセルブックファイル。(バージョン2007以降のファイル形式) | |||
実行 | .exe |
エグゼ | バイナリ | アプリケーション実行ファイル (executable file) プログラムからコンパイルして作成することもある。 |
|
プログラム 言語 |
.html .htm |
テキスト | Hyper Text Markup Language Web サイト用の言語で書かれたソースファイル。 |
||
.c |
テキスト | C 言語で書かれたソースファイル。 | |||
.cpp |
テキスト | C++ 言語で書かれたソースファイル。 | |||
.h |
ヘッダ | テキスト | C言語等のヘッダファイル。 | ||
.obj |
バイナリ | 各種言語のコンパイルで中間コードにつけられるオブジェクトファイル。 このファイルをリンクして実行ファイルやライブラリを作成する。 |
|||
.tds |
バイナリ | 「Borland C++」で、リンカ(リンク)を実行する際に生成される デバック情報ファイル。 |
|||
その他 | .bak |
バック | バックアップファイルにつけられることが多い。 アプリケーションソフトが自動的に作成することも。 |